要介護認定の申請方法と流れ|必要書類・期間を初心者向けに解説

「親の介護が必要になったけれど、まず何から始めればいいの?」——介護のはじまりで、多くのご家族が最初にぶつかるのがこの疑問です。介護保険のサービスを利用するには、まず「要介護認定」を受ける必要があります。手続きは少し複雑に感じられますが、流れを知っておけば落ち着いて進められます。この記事では、要介護認定の申請方法、必要な書類、申請から認定までのステップと期間を、これから申請するご家族に向けてやさしく解説します。

この記事の目次

要介護認定とは|まず知っておきたいこと

要介護認定とは、「その人にどれくらいの介護が必要か」を公的に判定する仕組みです。介護保険のデイサービスや訪問介護などのサービスは、この認定を受けてはじめて利用できます。

認定の結果は、介護の必要度が軽いほうから順に、「要支援1・2」「要介護1〜5」の7段階に分かれます。介護が必要と認められなかった場合は「非該当(自立)」となります。

要介護度が決まると、その区分に応じて、介護保険で使えるサービスの量(1か月の限度額)が決まります。つまり要介護認定は、介護保険を利用するための「入り口」にあたる、とても大切な手続きです。

要介護認定を申請できる人

申請できるのは、主に次の方です。

  • 65歳以上の方(第1号被保険者):原因を問わず、介護や支援が必要な状態であれば申請できます。
  • 40歳から64歳までの方(第2号被保険者):加齢にともなう病気(特定疾病)が原因で介護が必要になった場合に申請できます。特定疾病には、末期がんや関節リウマチ、初老期の認知症などが定められています。

申請は本人だけでなく、家族が代わりに行うこともできます。また、地域包括支援センター(高齢者の総合相談窓口)や居宅介護支援事業所に、申請の代行を頼むこともできます。

申請に必要なものと申請先

申請先

申請は、お住まいの市区町村の窓口(介護保険の担当課)で行います。地域包括支援センターでも、申請の相談や手続きの支援を受けられます。

必要なもの

申請のときに必要になる主なものは、次のとおりです。

  • 要介護・要支援認定申請書:窓口や市区町村のホームページで入手できます。
  • 介護保険の被保険者証:65歳以上の方が持っています。
  • 医療保険の保険証:40歳から64歳までの方の場合に必要です。
  • マイナンバーが確認できるもの
  • 主治医の氏名・医療機関名:このあと説明する「主治医意見書」を依頼するために使います。

かかりつけの医師がいない場合は、申請の前に受診先を相談しておくとスムーズです。

申請から認定までの流れ|5つのステップ

申請してから認定結果が届くまでは、次の5つのステップで進みます。

ステップ1:申請

市区町村の窓口に、申請書と必要書類を提出します。これで手続きがスタートします。

ステップ2:認定調査

市区町村の調査員が自宅(または入院先など)を訪問し、本人の心身の状態を聞き取り・観察します。「歩けるか」「着替えができるか」「物忘れの程度はどうか」など、決められた項目に沿って確認していきます。

調査には家族の同席が望ましいとされています。本人が「できる」と答えても実際は難しいことがあるため、ふだんの様子を家族から伝えることが、適切な判定につながります。調査の前に、困っていることや介助が必要な場面を家族でメモにまとめておくと、当日の伝え忘れを防げます。

ステップ3:主治医意見書

市区町村が、申請書に書かれた主治医に「主治医意見書」の作成を依頼します。これは、医学的な観点から本人の状態を記した書類です。家族が用意するものではなく、市区町村と医師の間でやり取りされます。

ステップ4:一次判定・二次判定(審査会)

認定調査の結果は、まずコンピュータによる「一次判定」にかけられます。続いて、保健・医療・福祉の専門家で構成される「介護認定審査会」が二次判定を行い、一次判定の結果や主治医意見書、調査員の特記事項をふまえて、最終的な要介護度を決めます。

ステップ5:認定結果の通知

審査会の結果をもとに、認定結果が記載された通知と、新しい被保険者証が郵送されます。申請から結果通知までは、原則として30日以内とされています。

認定の結果と区分

認定結果は、次のいずれかになります。

  • 非該当(自立):介護保険のサービスは原則利用できませんが、市区町村の介護予防事業などを利用できる場合があります。
  • 要支援1・2:日常生活に一部の支援が必要な状態。介護予防のためのサービスを利用できます。
  • 要介護1〜5:介護が必要な状態。数字が大きいほど、必要な介護の量が多くなります。デイサービスなどのサービスを利用できます。

認定には有効期間があります。新規の認定では原則6か月程度、その後の更新では原則12か月など、状態に応じて期間が設定されます。期間が切れる前に更新の申請が必要です。

認定を受けたあとの流れ

認定を受けても、それだけではサービスは始まりません。次に、「ケアプラン(介護サービスの利用計画)」を作成します。

  • 要支援1・2の方:地域包括支援センターが中心となって計画を作成します。
  • 要介護1〜5の方:居宅介護支援事業所のケアマネジャーが計画を作成します。

ケアマネジャーが本人や家族の希望を聞き取り、デイサービスなどのサービスを組み合わせた計画を立てます。この計画にもとづいて、ようやくサービスの利用が始まります。代表的なサービスであるデイサービスの内容や料金は、デイサービスの基本をやさしく解説した記事でくわしく紹介しています。また、サービスを利用する際の自己負担がどれくらいになるかは、介護保険の自己負担割合を解説した記事もあわせてご確認ください。

申請のときの注意点

スムーズに申請を進めるために、いくつか注意したい点があります。

  • 早めに申請する:結果が出るまで日数がかかります。介護が必要だと感じたら、早めに動き出しましょう。
  • ふだんの状態を正確に伝える:認定調査では家族ができるだけ同席し、調子のよい日だけでなく、ふだんや調子の悪いときの様子も伝えます。
  • 困ったら地域包括支援センターへ:申請の進め方が分からないときは、地域包括支援センターが無料で相談にのってくれます。

なお、認定結果に納得できない場合は、市区町村に区分変更の申請をしたり、不服を申し立てたりすることもできます。

要介護認定についてよくある質問

Q. 申請から結果が出るまで、サービスは利用できないのですか?
申請日にさかのぼって認定の効力が発生するため、結果を待つあいだも、暫定的にケアプランを作ってサービスを利用できる場合があります。急いで利用したいときは、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しましょう。

Q. 認定調査では、どんなことを聞かれますか?
立ち上がりや歩行などの動作、着替えや入浴といった生活動作、物忘れや意思疎通の状況など、心身の状態を幅広く確認されます。日ごろの様子をメモにまとめておくと、当日スムーズに伝えられます。

Q. 要介護認定の更新を忘れるとどうなりますか?
有効期間が切れると、介護保険のサービスが利用できなくなります。更新の申請は有効期間が満了する60日前から行えるため、市区町村から案内が届いたら早めに手続きしましょう。

Q. 入院中でも申請できますか?
できます。退院後すぐにサービスを使えるよう、入院中に申請を進めておくケースもよくあります。認定調査を入院先で受けることも可能です。

まとめ

要介護認定は、介護保険のサービスを利用するための入り口となる手続きです。流れは、①申請 → ②認定調査 → ③主治医意見書 → ④審査(一次・二次判定)→ ⑤結果通知の5ステップで、結果が出るまで原則30日以内です。

申請は市区町村の窓口で行い、家族による代行も可能です。手続きに不安があるときは、地域包括支援センターに相談すれば、申請から認定後のケアプラン作成まで支えてくれます。介護が必要だと感じたら、まずは早めに、申請の一歩を踏み出しましょう。

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